アオジタトカゲは、最近は国内でも繁殖され目にする機会が増えてきた種類です。
爬虫類に力を入れているホームセンターのペットコーナーでも見かけますね。
ヘビっぽいウロコに鋭い目のイカつさに相反して短い手足に太い胴で
ズングリムックリとした見た目やツチノコ感が人気で、初めてのトカゲとしてお迎えされる方も多いです。
種によっては触れ合いもしやすく、雑食性で餌の用意も簡単なので飼いやすいのトカゲ一種です。
お世話も容易なので、お子さんと一緒に命の大切さを学ぶにはいいトカゲだと思います。
今回は、「アオジタトカゲの飼育で知っておきたいこと」を店主の主観を交えて紹介します。
記事を参考にお住いの環境に合わせてアオジタトカゲとの生活が長く続いてくれればと思います。
下の目次から気になる所を読んでくださいね。
飼育方法
アオジタトカゲは雑食性で丈夫な種ですが注意点も幾つかあります。
種によっては、最大で70cm近くに成長する個体も存在しますので
購入される種の最大サイズを確認し、適切なケージを準備しましょうね。
また、アオジタトカゲは昼行性トカゲなのでバスキングスポットがあるとよりよい環境になります。
原生地のインドネシアの友人が送ってくる写真には朝日を浴びるアオジタトカゲの姿もあります。
紫外線やバスキングスポットは不要だとする情報も中にはありますが
変温動物の代謝を促すためにもホットスポットの設置は必須です。
くる病の対策にUVA・Bを吸収できる様、UVライトの設置もしてあげてくださいね。
ケージの選び方
大き口なる種で最大70cmにもなる個体もいます。
野生下では○○cm・飼育下では○○cmと比較する記事もあります。
しかし大きくなりすぎる事を見据えて、アオジタトカゲが広々と生活できるサイズのケージを選んであげましょうね。
ベビーからケージのサイズを徐々に大きくする方法もあります。
手に入りやすい既製品では90cmが最大になります。
既製品で間に合わない場合はDIYで自作のケージを作ってあげるのも楽しいと思います。
今はYouTubeや記事でケージの作り方も配信されてますので見ながら作るのも楽しいですよ。
当店で飼養しているケージはパンテオンの90cmが多いですね。
生体のサイズに合わせて60cmから90cmと替えてあげましょう。
おすすめの床材は?
筆者のおすすめは「ヤシガラの荒目」の一択です!
潜りたがる習性が強い種なので、体が隠れる程度の深さに敷き詰めたヤシガラは生体のストレス軽減にもよいかと思います。
ペットシーツでも飼養は可能です。
しかし、体を隠すためにシーツを捲り上げて隠れるので見た目も良くないですね・・・
湿度の保持にもヤシガラは有効的なのでオススメします。
ライトはいるの?いらないの?
「アオジタにライトはいらない!」と言った記事も散見されます。
しかし筆者はライトはある方がいいです!と声高らかに申し上げたい!
恒温動物と違い爬虫類は環境温度に依存して生活しています。
満腹になったら消化を促すために暖かい場所に行きお腹を温めます。
温度が不足し消化不良になった場合、体内の食物が発酵してガス溜まりを起こします。
また消化されないまま体内で食物が腐ってしまいます。
懸念を解消するためにも消化を促すスポットをライトやヒーターで作ってあげるのが有効だと筆者は思います。
また、紫外線ライトに関してもビタミンD3の生成を促すためにも微弱な物でも設置しておいた方が効果的だと思います。
サプリメントでビタミンD3を摂取する方法もありますが、あくまで補助的な意味合いで考えるのがよいかと思います。
理想は時折、自然光を浴びて代謝の促進やビタミンD3を体内で生成するのがベストだと思います。
しかし庭で飼うのが難しい以上、小さなケージで野外を再現してあげるのが飼い主の務めだと思います。
当店で使用しているライトを幾つか紹介しておきますね。
ペットゾーン:ソラリウム
電球の交換は必要ですが35w~70wまで1つのインバーターで対応できる優れものです。
ライト直下も暖かくなりUVも浴びることができます。
お値段は少し高いですがオススメの商品です。
ビバリア:スパイラルUVBフォレスト
名前にあるように森林で浴びる程度の紫外線を発するライトです。
別途ソケットが必要になりますが良いライトです。
光量・紫外線量が多すぎるのも生体にはストレスになるので注意が必要ですね。
ペットゾーン:マイクロサン28w
局所的に温めたい時にオススメのライトです。
逆にケージ全体を温めるのには向いてませんので注意してください。
バスキングスポットで一箇所だけ温度を上げたい時などに店では使用しています。
過ごしやすい温度は?
ケージ内の基底温度はは25℃程度が好ましく思います。
先に述べたホットスポットに関してはは32℃前後でセットするとよいですね。
ケージの床面ににパネルヒーターを敷き全体的な温度を維持し、
スポットライトでバスキングスポットを作りましょう。
また繁殖を考えず、通年活動しているのを見る場合は冬期も保温が必要になります。
温度計を使い低温になっていないか日々確認しましょう。
中でもビバリアのツインメーターは根強い人気で使用されている方が多い商品です。
ケージの壁面寄りの温度にはなりますがある程度の信頼はおける商品なので
ケージに設置して目安にするといいと思います。
また、ビバリアのサーモチェッカーNEOを使用してバスキングスポットの温度や、
普段生活しているスペースの温度を測るのも重要だと思います。
ツインメーターでは適正な温度でも床面は冷えている事は多いです。
人間の家と一緒で室温は問題ないけど底冷えするみたいな感じですね。
外気温に合わせて空調の温度を変更した時は壁面の温室度系だけで確認するのではなく
ひと手間加えてサーモチェッカーで温度を測ってあげて下さいね。
過ごしやすい湿度は?
アオジタトカゲはやや湿潤系トカゲに分類されます。
思っているよりも湿度はやや高めが好ましいです。
具体的な数値で言うと70%あたりを目安にするとよいでしょう。
とはいえ、パネルヒーターやバスキングスポットの影響で湿度を維持するのは難しくなります。
エアコン管理されるご家庭では過乾燥に陥りやすくなります。
飼い主さんが起床後にたっぷりと霧吹きをして湿度をあげてあげましょう。
1日をかけてゆっくり乾燥していくリズムを作ってあげるとよいかと思います。
生活のリズムに合わせて上手く調整してくださいね。
エアコン管理で、乾燥状態が解消されない場合は下記リンクのモンスーンソロなどの自動噴霧器がおすすめです。
給餌や給水の方法
アオジタトカゲは手足が短いのでお皿は縁の低い物を選びましょう。
餌皿と覚えてしまえば、ノソノソと寄ってきて食べ出すところが愛らしいです。
給水に使うお皿はで重みのある物を使用しひっくり返されないよう注意しましょうね。
給餌の頻度や種類
雑食性なのでご飯はなんでもよく食べます。
ケージ内の環境が整っていれば「こんなに食べて大丈夫!?」って思うほどよく食べますよ。
アオジタトカゲは昆虫・野菜・果物と食べれそうな物は何でも口にします。
飼育者の中には簡単と言った理由から、ドッグフードをふやかした物や缶詰を与える方もいます。
ただ、動物性タンパク質を過剰に摂取しすぎるために、肥満になる傾向も強いので注意が必要です。
可能な限り植物性のタンパク質をメインにし脂肪分の高い肉や糖質の多い果物は控えましょう。
お腹や腰骨の状態を見ながら餌の頻度や量を適宜調整してあげてくださいね。
当店ではMazuriのリクガメフードをメインにトカゲブレンドフードをトッピングしてあげることが多いです。
冷凍のマウスやヒナウズラなども与えますが月に数回程度に控えています。
給水の仕方
餌皿と同じくお皿の縁が高すぎると飲めない傾向にあります。
ヤシガラに埋め込むような形で、地面と水面が平行になる様な環境を作ってあげる事が大事です。
軽い水入れだとヤシガラの上に設置した場合に、アオジタトカゲが潜ってひっくり返す事もあるので注意してくださいね。
できるだけ新鮮な水を与えるために2日に1回は交換してあげましょう。
ハンドリングや日頃の付き合い方
アオジタトカゲは、少し隠れてばかりで陰キャっぽい雰囲気があります。
しかし、普段から給餌をしメンテナンスを繰り返すうちに飼い主を怖がらなくなり少しづつ慣れてきます。
「爬虫類は懐かない」と、よく言われますが飼い主を危険のない物と認識し寄ってくる様になる事もあります。
部屋んぽしてると寄ってきたり身体の上によじ登ろうとするほどに慣れてくれます。
飼育当初は噴気音で威嚇してきますが少しづつ触れ合う時間を増やし、人間が触れても大丈夫だって事を覚えてもらいましょうね。
まとめ
以上で「アオジタトカゲを飼う前に知っておきたいこと」になります。
少し長い記事でしたが最後まで読んで頂きありがとうございました。
手足が短く愛嬌のあるフォルムに、慣れてくると「甘えん坊か!」ってなる行動をするアオジタトカゲ。
飼育のさまざまなハードルを乗り越えて付き合っていく上で、当記事が参考になればと思います。
それではよい爬虫類ライフを!