フトアゴヒゲトカゲ(Beaded dragon)は、ホームセンターでも見かけるほど人気がある種です。
トゲトゲとした風貌とは裏腹にハンドリングも容易で大人しい子たちが多いです。
様々な色や柄があり、とても目を引く人気者です。
トゲトゲとした恐竜感が子供達にも人気で、初めてのトカゲとしてお迎えされる方も多いですね。
比較的世話が容易であるのでお子さんと一緒に命の大事さを学ぶにはとてもいいトカゲだと思います。
今回は、フトアゴヒゲトカゲの飼育について知っておきたいことを紹介します。
筆者の大好きなトカゲなのでくどいかもしれませんが、
この記事を参考としてお住いの環境に合わせてフトアゴヒゲトカゲとの生活が長く続いてくれればと思います。
飼育方法
フトアゴヒゲトカゲ(以下フトアゴ)は乾燥地帯に生息する中型のトカゲです。
平均で40cm前後になりますので、ケージ選びも大切なポイントになります。
ケージ
上でもお話したように平均40cm、最大で50cmになります。
最低でも60cm以上ののケージが必要になってきます。
ベビー~ヤングの間は60cmまでのケージで無理なく飼育できますが、
アダルトの40cm前後になると少し狭いですね。
大きさのわりに重量が他より軽いSANKOのパンテオンはお薦めです。
お部屋で散歩させられる方なら大丈夫かと思いますが、
なかなか時間の取れない方やケージだけで飼いたい方は90cmのケージに変更するのが
フトアゴにとってもストレスのない生活できるかと思います。
大きなケージでノビノビと飼育されたい方はDIYで自作ケージを作られるのも楽しいと思います。
自作される時は通気性がよく、温度管理しやすい素材で作りましょうね。
飼育場所の準備
フトアゴは日光浴が大好きなのでケージには紫外線ランプを設置しましょう。
熱くなりすぎない窓辺や生活音がうるさくないスペースにケージを設置してあげて下さいね。
フトアゴは、砂漠地帯に生息する昼行性のトカゲなので
飼育環境にも出来るだけ再現してあげて下さいね。
床材
出来るだけ生息域での環境を再現と書きましたが、
衛生面も非常に大事なってきますので床材は慎重に選びましょう。
ペットショップには色々な床材が売ってますので色々と試してみるのもいいかと思います。
数点だけあげておきますので参考にしてくださいね。
- 赤玉土などの砂系
-
メリット:
入手も容易で安価である。
乾燥した砂漠地帯を再現するにはマストアイテム。デメリット:
砂埃が酷い。
定期的に交換しないと菌の温床になる。真菌系の病気が発症すると寛解までに長時間かかります。
指先や尾先に発症すると壊死で欠落することがあります。 - ウォールナッツ系
-
メリット:
入手も容易で安価である。
小粒で乾燥しているので掘り返しやすくストレス発散にもなるデメリット
湿度が高いとカビが生えやすく菌の温床になる。
脱水気味の生体が誤飲誤食すると
腸管の水分を吸収して腸管閉塞になることもある。腸管閉塞の話は獣医さんから珍しい症例として伺った話になります。
- ペットシーツ
-
メリット:
排泄毎など短期間で取り換えれば衛生的である。デメリット:
交換頻度が悪いと見た目が最悪。
掘り返しされるとモケモケになる。
給水ポリマーの誤飲誤食が怖い。
温湿度
日光浴好きなので暖かく明るい場所に置き、温度管理を行いましょう。
温度管理
フトアゴは温帯地域に生息するため、暖かい環境が必要です。
飼育スペース内の温度は日中28℃~30℃程度で、夜間は20℃ぐらいで維持してあげて下さい。
温度を調整するにはサーモスタットを使用するといいですね。
ライト
フトアゴは紫外線のUVB波を吸収してビタミンD3を体内で生成します。
カルシウムの吸収促進やクル病の予防のためにも照明器具を使用して、日光に当たっている状態を再現してあげて下さいね。
ソラリウムやハイパーサンはUVB照射・熱源の双方で優秀なのでおすすめですよ。
爬虫類は変温動物で体温が外気温に左右される動物です。
活動するには通常時25℃から30℃はケージ内の温度が必要です。
中には冬眠する爬虫類もいますが、ご家庭で冬眠させるのは難しいと思うので
パネルヒーターなどで温度が下がりすぎないように保温してあげて下さいね。
給餌や給水の方法
一般的にベビー~ベビーヤングまでは昆虫が主食。
ヤングからは野菜に移行していくスタイルが書籍などにも多く書かれていますね。
当店では日替わりで野菜↔昆虫とシフトして給餌しています。
給餌
幼体期の餌は昆虫が中心ですが、たまに野菜もも与えるとよいでしょう。
お客様の相談の中に「野菜は食べない」との話もありますが、
普段の昆虫食に満足している状態であれば野菜は不要と思っている子もいると思います。
腹8文目ぐらいを意識して給餌することや、昆虫を与える前に野菜を与えてみるなどの工夫は必要だと思います。
餌の量はフトアゴの大きさに応じて調整し、食べ残しを放置しないようにしてくださいね。
野菜を与えることは水分の補給になりますので重要なプロセスなので
残すこともあるかと思いますが挑戦してあげて下さい。
ベビーの間は豆苗を上手に栽培しながらあげるといいかと思います。
コオロギ・デュビア・ミルワームなど手に入りやすい物から好きなものを見つけてあげて下さい。
給餌による栄養不足が不安なようであればダスティングして補助してあげるのもいいですよ。
ダスティング:エサの昆虫や野菜を与える際に、専用のカルシウム剤などをまぶして与えることをダスティングと呼びます。
フトアゴ用の人工飼料も販売されていますので置き餌としてあげるのもいいと思います。
こちらも定期的に取り換えてあげて下さいね。
給水
乾燥気味で飼育するので水分補給はかなり必要です。
シリンジなどで直接あたえたり水皿を常に置いて自分で飲みに行ってもらったり、
体がつかるサイズの入れ物に水を入れてケージ内に置いておくなど
色々と工夫して水を飲める環境を作ってあげましょうね。
脱水症状が進行すると排泄をしなくなったり動きが悪くなったりと症状がでますので
定期的に温浴をするのもいいと思います。
鱗の隙間にも汚れがたまるので温浴で落としてもらいましょう。
ハンドリングや日頃の付き合い方
トゲを我慢すればハンドリングは容易です(笑)
多くの個体は手に取られてもポヤ~ンとしている程度で暴れることは、それ程ありません。
ヤングぐらいのサイズ(20cm程度)になれば部屋で散歩させるのも楽しいですよ。
パタパタと走り回ったりボケ~っとしたり、思った以上に表情の楽しめるトカゲだと思います。
冷蔵庫の下など入り込めるスペースには注意してください。
すんなり出てこないと模様替えや引っ越しレベルの大捜索になります。
また、窓を解放したまま散歩させるなどして逸走しないように注意してくださいね。
定期的にケージの掃除をし、清潔に保ちましょう。
また、病気や怪我をした場合はすぐに獣医師に診てもらいましょう。
まとめ
以上が、フトアゴの基本的な飼育方法になります。
フトアゴ好きの筆者としては、まだまだ書き足りないのですが・・・・
あまりに長いとアレですしね(笑)
その内に、しっかりとした記事を書ければと思います。
注フトアゴヒゲトカゲは可愛らしい姿をしていますが、飼育には一定の知識と努力が必要なると思います。
必ず事前に情報収集を行い、適切な飼育環境を整えてあげましょうね。
初めての方でも色んなサイトや飼育書でしっかりと飼育方法を学び、可愛いフトアゴを育てましょう。
以上が初めてフトアゴを飼うにあたってお伝えしたいことでした。
途中、商品リンクがうるさいですが参考にしてくださいね。
では、よい爬虫類LIFEを!