
爬虫類の飼育に慣れ数を増やしていくと、生体名に「het~」や「Poss het~」を見かけるようになってきますね。
ボールパイソンを飼育されている方は特に目にされる機会が多いと思います。
人に聞きたいけど気恥ずかしくて、ちょっと聞けないような話を今日はしたいと思います。
「ポッシブルヘテロ」ってどういう意味?

どう説明したらいいですか?

ポッシブルヘテロ(Possible Het)っていうのは、
ある潜性遺伝の遺伝子を持っている可能性がある という意味なんだ。
確定ではなく可能性があるってことだね。
簡単にいうと「隠れてるかも?」な遺伝子
まず「Possible Het」とは、言葉の意味から考えよう。
Possible=可能(可能性)/ heterozygote=ヘテロ
「ヘテロである可能性があるよ」って事なんだ。
動物が「ある遺伝子を持っている可能性がある」という意味だね。
特に潜性遺伝子っていう特定の遺伝子について使われる言葉だよ。
ヘテロ(Heterozygous)というのは、潜性遺伝子を 1つだけ 持っている状態のこと。
例えば、アルビノ(潜性)の遺伝子を 「両親から1つずつ受け継ぎ潜性遺伝子がホモ接合するとアルビノになる 」
けど、 「1つしか持っていないと見た目には影響が出ない 」んだ。
「A」がノーマル(顕性遺伝子) / 「a」がアルビノ(潜性遺伝子)として下のリストを見てください。
- AA=ノーマル(顕性遺伝)
- Aa=ヘテロ:ノーマル表現で潜性遺伝のアルビノの遺伝子を保有
- aa=アルビノ:潜性遺伝子のホモ接合体
AAとAaでは見た目は同じになります。
aとaが接合してアルビノの表現になるので覚えておきましょう。
ポッシブルヘテロの場合、 本当にその遺伝子を持っているかどうかは分からない ということ。
そういった時に「Poss het」の表記を使うんだよ。
実際にその遺伝子を持っているかどうかは繁殖させて確かめるしかないんだ!
具体的な確率はどうなるの?
例えば、 片方の親がヘテロ(潜性遺伝子持ち)で、もう片方がノーマル(潜性遺伝子なし) の場合、
子どもがその潜性遺伝子を受け継ぐ確率は 50% 。この場合、「50%ポッシブルヘテロ(Poss het 50%)」と表記される。
では、具体的な例を見てみよう!
例1: 親が「ヘテロ」と「ノーマル」の場合
- お父さん: Aa (1つ潜性遺伝子を持ってる=ヘテロ)
- お母さん: AA (潜性遺伝子を持っていない=ノーマル)
この場合、生まれてくる子供の遺伝子型はこんな確率になるよ:
- AA(潜性遺伝子を持っていない): 50%
- Aa(潜性遺伝子を1つ持っている): 50%
つまり、50%の確率で潜性遺伝子を持っている可能性があるということで、
この子供を「50% Possible Het」と呼ぶんだ!
例2: 親が両方ヘテロの場合
- お父さん: Aa(1つ潜性遺伝子を持ってる=ヘテロ)
- お母さん: Aa(1つ潜性遺伝子を持ってる=ヘテロ)
この場合の確率はこうなるよ:
- AA(潜性遺伝子を持っていない): 25%
- Aa(潜性遺伝子を1つ持っている): 50%
- aa(潜性遺伝子を2つ持っていて外見に現れる): 25%
この場合、外見で「aa」と分かる25%を除いた、**50%(Aaの子供)**がPossible Hetになる。
結果的に、「66%の確率で潜性遺伝子を持っている」と言えるよ!これを「66% Possible Het」と呼ぶんだ。
じゃあ、ポッシブルヘテロの個体を買うのはアリ?

なんか損じゃないですか?

でも、もしその遺伝子を持っていたら、
将来的に 狙ったモルフ(見た目)を作れる可能性が広がる んだ。
ポッシブルヘテロの個体は、確定ヘテロよりも 安価 に手に入ることが多いから、
ブリードを考えている人にはメリットもあるよ。


だけど、確率の話だから、絶対に遺伝子を持ってるとは限らない ってことは覚えておこう。
まとめ
- ポッシブルヘテロ(Possible Het)とは、「潜性遺伝子を持っている可能性がある」という意味。
- 親の遺伝情報から、50%や66%などの確率で計算される。
- 確定ヘテロより安価に手に入ることが多く、ブリーダー向けの選択肢としてアリ。
- ただし確率の問題なので持っている保証はない 。
ポッシブルヘテロを活用してブリードを楽しみたいなら、親の情報をしっかり確認しよう!
以上、ポッシブルヘテロについてのお話でした! 何か質問があれば、お店で気軽に聞いてね!